不登校対策に関する要望書提出について
昨年10月、滋賀県知事・滋賀県教育委員会教育長、東近江市長・東近江市教育委員会教育長宛に、不登校対策に関わる要望書を提出いたしました。要望の主旨は次の通りです。
本会は、不登校支援は第一義的に学校等公的機関が担うべきであり、そこを蔑ろにして外部への支援を強化しても、それは子どもたちの思いに反するものだと考えています。フリースクールを否定するものではありません。フリースクールの必要性は重々感じており、不登校の子どもたちの居場所として認められるべきと考えています。しかしそれ以上に、学校に対する支援があまりにも少ないことを大変危惧しています。何十年にも渡る不登校問題が、解決に向かうどころか増加の一途を辿っていることの一因として、学校内で不登校対策・支援の組織づくりがきちんと構築されてこなかったことが大きいのではないか、というのが私たちの考えです。
教育機会確保法も、指導要領も、3月に文科省より出された『COCOLOプラン』も、第一に「不登校にならない学校づくり」が挙げられ、次に「学校での不登校支援」。そのあとに「外部との連携」となっています。しかし、現状を見ると、第一と第二を飛ばして、三つ目のことばかりが議論されています。「フリースクール法案」と呼ばれた「多様な教育機会確保法」が、最終的に学校の改革や支援を主とする「教育機会確保法」に形を変えたのは、まずは学校でしっかりとした支援をするべきであるという考えのもとであったと捉えています。確保法や指導要領の意図を、しっかりと汲み取った論議がなされることを望みます。
現在、学校の別室で多くの子どもたちが学んでいます。別室が不登校の子どもたちの居場所になっているにも関わらず、県による別室支援はごくわずかで、ほとんど市町に任されています。さらに、市町が学校を支援しているところも少なく、多くは教員の誠意と努力によって成り立っています。当たり前の話ですが、人の誠意に頼る対策には限界があります。家庭訪問にしても放課後登校にしても、不登校支援の多くは時間外労働です。別室登校生の対応は勤務時間内ですが、その時間にやるはずの仕事が残業になります。行政による支援がなければ、続いていかないのです。
さらに昨今、教員不足が大きな問題となっています。ただでさえなかなか手が回らない学校での不登校支援が、さらに置き去りにされていくことが懸念されます。このような状態では、不登校になった子どもは学校から遠ざけられ、学校の外に居場所を求めざるを得なくなってしまいます。不登校は学校で起こることです。今一度、学校への支援を考え直し、子どもたちが安心安全な学校で、生き生きと過ごせるような対策をお願いしたいと考えています。
上記のことを鑑み、以下のことを要望いたしました。
1.本会に参加している保護者・支援者との対話の機会を設けてください。
2.不登校対応に関わる人員を各学校に配置し、不登校対策の組織づくりを進めてください。
3.3月31日に文科省から出された『COCOLO プラン』にある「校内教育支援センター」の設置を進め、施設の充実を図ってください。
4.学校や教育委員会が充実した不登校対策を行うために、国・文科省に対し必要な支援をするよう強く要望してください。
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